『天才! 成功する人の法則』を読んで
マルコム・グラッドウェルさんの本です。もともとは10年くらい前に勝間和代さんが書かれた雑誌の記事か何かで知りました。再度、購入してからこのブログで紹介するまで、随分時間が経っていますが、いい本なので。
天才と呼ばれる人たちがいます。この人たちが天才と呼ばれるようになったのは、なぜか?を探る本です。
天才というと、ある種の技能で非常に優秀であり、それをたやすくこなしているという印象があります。私には、本人の努力だけで天才性を確立できた印象が強かったのです。
実はそうではなく、時代が与えてれくれたチャンス、本人の努力、社会が複雑に絡み合って、天才が生まれることを示しています。
この本で話題となったのが1万時間の法則です。卓越したスキルをマスターするためには、1万時間のトレーニングを必要としますという話です。この話が、本の前半部分にでてきて、ビル・ジョイさんやビートルズのエピソードで語られています。
この部分のみが非常に強くフォーカスされている印象のある本です。しかし、内容を読んでみると、時代の好機に選ばれた人間がどのように天才性を発揮していくのか、文化や社会によって天才性が育成されるか、抑制されるかなどが説明されています。
IQでみた場合、あきらかに天才なのにもかかわらず、巨大な成功を収めることができなかったクリス・ランガンさんのような例も出てきて、非常に興味深く読ませていただきました。
非常にいい本です。マルコム・グラッドウェルさんの本は良著が多いので、今後の作品も期待したいと思います。