『スティーブ・ジョブズII』を読んで
ウォルター・アイザックソン氏によるスティーブ・ジョブズの伝記の2巻目です。英語版では1冊にまとめられていますが、日本語翻訳版では、2冊の構成になっています。
- 作者: ウォルター・アイザックソン,井口耕二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/11/02
- メディア: ハードカバー
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この本は次の3名の方に読んでほしいと思います。
- Appleの今までの製品開発を知りたい人
- 創造性を高めたい人
- 人生で何を目標として生きたいか?明確にしたい人
スティーブ・ジョブズIで、ジョブズ(敬称略)は、Apple社から事実上、追い出されてしまう。再起をはかるジョブズに会社経営に関する試練が訪れます。
なんといって立ち上げた会社の資金繰りが厳しい。そんななかで追い出したはずのApple社が不況によって立ち行かなくなり、ジョブズの復帰を求めてきます。
なぜ、ジョブズがターゲットになったのかは、本書を読んでも、イマイチわからなかった。ただ、以前、Appleでの製品開発を真摯に行っていたことが評価されてのことなのでしょう。
タフな交渉を乗り越えて、Apple社の指揮権を取り戻したジョブズが行ったことは、製品開発を根本的に見直したことでした。ここまで、シンプルにするかというほど、シンプルにしました。つまり開発する製品の数を指で数えられる程度までにしました。
この決断は、おそらく禅の教えに基づくものでしょうね。
シンプルさが際立たせる美というものをジョブズが非常に大切にしていることが、のちに登場するiPod、iPhone、iPadでわかります。
これらの製品に対しても、情熱をこめて真摯に、開発にうちこんでいくジョブズの姿勢がうまく描写されていて、いい本だなと感じました。
ただ、罵倒される方はたまったものではないでしょうが…
そして、ジョブズががんになり、闘病生活に入りました。ここで読んでほしいのは、死をみつめた人は、一体何を考え、どう行動していくか?です。
がんなどの病気にならない限り、人はあまりに時間を無駄に過ごしがちです。
ジョブズにとっては不幸な話だと思いますが、がんを経験したからこそ、Appleの製品はよりいっそう際立ったものになったかもしれません。
第40章に差し掛かったころ、熱いものがこみ上げてきて、読むのを苦労しました。
マルコム・グラッドウェルは、今後、ジョブズよりもビル・ゲイツの方が有名になると語ったと聞いたことがあります。たしかにゲイツさんもすごいのですが、今、私が使っている製品は、会社で使うもの以外、ほとんどApple製品です。それほど、Appleがいいものを作っている事実は間違いないことだと思います。