『今まででいちばんやさしい「奇跡のコース」』を読んで
アラン・コーエンさんの最新刊です。
アラン・コーエンさんは、リラックスをすることが豊かさを与えるということを提案して、日本でもカウンセリングやセミナーを実施しています。
この本は次の3名の方に読んでもらいたいです。
- 今、悩みを抱えている人
- 思い通りにならない人間関係に悩んでいる人
- 自分を見失っている人
以前のアランさんの本の記事でも書きましたが、アランさんの本を読んで感じるのは、読者に対して深い敬意と愛情を注いでいるのが感じ取れることです。その思いの温かさは、なんとも言えない居心地の良さを与えてくれます。
この本は、奇跡のコース、原題は「A Cource in Miracles」という本を解説した本です。「A Cource in Miracles」という本は、結構分量が多く、かつ読みにくいのです。
私も過去チャレンジしたことがありますが、どうにも読めずに古本屋に出してしまったという経緯があります。
アランさんは、「 A Cource in Miralces」を知らずに生きていくのは、もったいないと語ります。アランさんの人生にとっても、すごく重要なものであると。
で、この本で紹介している「A Cource in Miracles」とは何かですが。
コロンビア大学に勤務されていたヘレン・シャックマン博士とビル・セットフォード博士の共同作業により、この世に出版された本です。ヘレン・シャックマン博士が、聞いた謎の声を、ノートに記し残していったことが最初の始まりです。
謎の声の正体は、イエス・キリストだそうです。
「A Cource in Miracles」の由来については、この本で詳しく紹介されているので、読んでみてください。
さて、本の内容に移りましょう。この本の中で解説されているテーマは、次のようなものでした。
①自分が見ている幻想に気づくこと。
②行動は愛と恐れしかない。
③人間関係に特別な視点を入れると、特殊な力学が発生する。
①自分が見ている幻想に気がつくこと。
誰しも日常生活の中で、自分を中心とした幻想の世界に生きていることを、この本は語ります。この幻想を意識的に排除しながら生きていかないと、幻想を受け入れて苦しむ生き方を選択することになります。そして、幻想に意識を向けるかどうかは自分で制御できるのです。
だから、不幸なイメージを抱え込むのも自分、幸せなイメージを抱くのも自分なのです。
この本の中で、アランさんと友人のジョージさんとのエピソードが出てきます。高校時代のアランさんのちょっとした行動がジョージさんに拒絶されたという思い出が、しばらくアランさんに残っていました。ジョージさんとの再会で、その幻想が解放されていく様子が紹介されています。
②行動とは愛と恐れしかない。
この本の中では、犯罪者の更生のエピソードが出てきて、愛に気づくことで人が変わっていくことが紹介されています。
③人間関係に特別な視点を入れると、特殊な力学が発生する。
ステファニーさんのエピソードを通して、自分はすでに完璧な存在であり、相手によって補完される存在でないことを指摘しています。相手に依存すると、どうしても期待通りに動かないなどで腹をたてるケースが出てきて、それが自分を苦しめるとのこと。
まだまだ、エピソードはあるのですが、エピソードごとに「A Cource in Miracles」の教えを出して、自分を苦しめるのも、救済するのも自分であるということを示しています。これは、全くその通りだと思います。
なお、この本は、アランさんの原著の前半部分の翻訳版です。後編もいずれ出版されるとのことです。
この本を読んで、改めて、再度、「A Cource in Miracles」の翻訳版を挑戦してみようと思いました。また、この本の構成は読みやすく、うまくできているなと感心させられました。