『「限りなく少なく」豊かに生きる』を読んで
シンプルなライフスタイルを提唱するドミニック・ローホーさんが書いた本です。ドミニックさんが書いた本を紹介するのは2回目ですね。「屋根ひとつ お茶一杯 魂を満たす小さな暮らし方」が良かったので、この本も手にとってみました。
この本は次の3名の方に読んでほしいと思います。
- なぜだか心に疲労感を感じている人
- 自分の人生で何が重要かわからなくなっている人
- シンプルな生き方に憧れている人
この本で書かれていることは、人はシンプルな生き方をしていくことが望ましいということ。それを実現するためには、何をやっていけばいいのかが書かれています。
ただ、この本に書いてあることよりも、どうしたらこうした思考ができるようになるのかが気になりました。
おそらく、それ相当の時間をかけて、自分の心に何がベストなのかを問い続けてきた結果で得られたものを書いてくださっているように思います。
そして、ベスト(多分、本人にとって必要不可欠)なもの以外は、つまりベターなものは切り捨てるということを実践している様子が伺えます。
こうした思考に至る基本原則は、やはり必要なもの以外は持たないと言ったことなのだろうと、この本を読む限り感じます。
では、この本の内容に移りましょう。この本で印象に残ったことは、次の通りです。
①アポイントは誰よりもまず自分自身ととってから
②一度に一つのことだけをする
③一日持ち歩いたバッグは中身を完全に空にする
④持ちものを減らすとメンタル面でも強くなる
⑤少数の友人と親密な関係であればいい
⑥思いにとらわれず、目の前を真っ直ぐに見据える
⑦現在に集中し、よけいな心配はしない
特に印象に残ったことを触れると
②一度に一つのことだけをする
これは重要なことだと感じています。複数のことを同時に実行すると、それらを処理する行為そのものの密度が薄くなり、十分な効果を得にくくなると私も感じています。私の場合も、移動時間中に歩きながら、オーディオブックを聞いたりする程度に止めています。
指摘の通りで、一つのことに集中した方が効率が上がります。
⑦現在に集中し、よけいな心配をしない
この本の内容とは異なりますが、この言葉で感じたことは、今を集中している人は確かによけいな心配をしていません。
どう考えても暇な人ほど、「不安だ。不安だ」と叫んでいるという事実に、しばらく前に気付きました。そんなに不安なら仕事をしっかりこなして認められれば、そんな心配をしなくても良くなるのにと思います。
しかし、そんな人に限って、仕事をそっちのけでお喋りに興じているので、不思議な気持ちになりました。
今ここに集中していきたいものですね。
この本に書かれているようなシンプルな生き方をしていくためには、まず見えるものから整理していく必要があるなと感じました。まずは不要なものを減らす、そこから得られた感覚が、次の目に見えないものの整理につながっていくような感じがしています。
著者のドミニック・ローホーさん、翻訳者の原秋子さん、本文レイアウト担当の岡孝治さん、株式会社講談社の皆様、素敵な本を出版していただきありがとうございました。