nishiikatsumi’s diary

Long Live Reading Books

『努力不要論』を読んで

 テレビ・ラジオなどで話題の天才脳科学者の中野信子さんによって書かれた問題作です。中野信子さんことは、この本を読むまで全く知らなかった。

 

 「努力不要論」というタイトルを見たとき、思い出したのは千田琢哉さんの書いた本の話です。

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  この本は、果たして何を教えてくれるか?気になって読みました。

 

 この本は、ズバリ、今努力をしているのに何も成果が上がらないと感じている人に読んでほしいと思います。

 この本では、努力というものに関して、今まで言われてきた一般的な常識とは異なる見解を表明しています。それは何か?

 それは、努力をすることはいいことではないということ。

 読み進めていけば、わかりますが、実に多くの人が間違った努力をしていることに気がついていない。

 この本で紹介されている視点に以下の2つがあります。

 1.努力と思っていたことが負荷が軽すぎて努力になっていないこと。

 2.目標を実現するのに誤った努力をしていること。

 

 特に2のケースは致命的なミスだとこの本は語ります。例として、婚活に励むアラフォー世代の女性の話が出てきますが、これは独身で40代の男性の私にとっては耳の痛い、がしかし有益なアドバイスでした。

 努力をするよりも、自己の才能に気付き、それを伸ばしていく生き方をするべきだとこの本は語っています。それは前述した千田さんの本でも語られていたことでもあります。

 ただし、才能で生きることは、簡単ではないということが語られています。それは、他人の嫉妬というものがあるからです。これがなぜ生じるのか?については、この本の中で、中野信子さんが脳科学者の立場で答えてくれています。気になった人は書店でこの本を手にとってみてください。

 

 では、努力をすることを自分に押し付けずに成功するためには、どうしていけばいいのか?についても語られています。ヒントは才能を見抜いた上での意志力とのこと。

 才能を発揮する時、人はそれを努力と感じない、しかし他人はものすごく努力をしているように感じます。それが狙い目であることを教えてくれています。

 特に自分が短所と感じている部分が、他人から異なる視点で見たとき、特別な才能であることがあり、視点を変えてみることや他人にヒアリングすることを勧めてくれています。これは実際にやってみようと思います。

 その一方で、他人の力を借りることも勧めていて、組織の中にいる場合は、それが他人の成長を促進することでもあると解説してくれています。

 

 努力を行う上で、1%の才能が必須ですよというこの本の主張は、すぐに納得できるものではありませんが、今まで頑張ってこれたのは、才能があるからできたとも感じています。

 疲労感を伴う努力をせずに、過ごしていく。それが悪いストレスを抱えないことにつながるので、それを実践していきます。

 

 著者の中野信子さん、装幀担当の小口翔平さん、イラスト・図版作成担当の良知高行さん、DTP担当の閏月社の皆様、編集・本文デザイン担当の石黒洋記さん、印刷・製本担当の日経印刷株式会社の皆様、フォレスト出版株式会社の皆様、間違った努力を正してくれる本を出版していただきありがとうございました。