『なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?』を読んで
1級建築士であり、株式会社川本建築設計事務所代表取締役の八納さんが書いた本です。今まで、リフォームのTV番組を視聴したり、家に関する本を買って読んできたりしたことはありますが、人のパフォーマンスに関しての本は初めてです。
家が人に与える影響について知りたいと思ったので、手にとってみました。
まず、この本は次の3名の方に読んでほしいと思います。
- ここのところ調子が悪いと感じている人
- 家を建てたいと考えている人
- 子供を天才にしたい方
皆さんは家というものをどう考えているのでしょうか?私の場合、寝食を行う場所であり、読書をしたり、プログラミングを行う場所であったりします。
著者はそういう姿勢に対して疑問を投げかけています。
それは、この本で語られる人たちの事例の紹介で始まります。
中でも印象に残ったのは、帰宅して寝るための場所だからと安易に妥協して、部屋を契約し、その後、うつ病になった方の事例紹介でした。
部屋は光が差し込みにくく、昼間も暗い。うつ病になった彼は、そこから脱出して、新しい部屋に引っ越すと、うつ病の症状が改善されたとのこと。
他にも、幾つかの事例が紹介されています。
その根幹となるものは、家は単に寝るための場所ではないという考え方でした。
成功者と呼ばれる人たちは、この家に関しても、快適な環境にするべく、努力を惜しまないと語ります。
家に何を求めるかは人それぞれですが、真剣に考えていくと、自分にとって最適な環境を作ることができます。
この本では、家に関するトリビアがいくつも紹介されています。
①磁場が乱れるところでは、調子を崩す。
②小学校低学年の時に、勉強時に人の囲まれた環境で勉強するとノイズに強い人になること。
③子供部屋はアメリカから輸入されたが、日本人向けのカスタマイズがされていること。
などなど、上記にまつわる詳しい解説が、この本の中で書かれていますので、気になった方は是非、手にとってみてください。
部屋を、家を選ぶときのポイントとしては、お金の損得だけにフォーカスしないことが重要なポイントとして書かれています。そして、何を重要視していくのか?ということと、購入してから後に感じる倦怠感をどう追い払っていくのかが書かれていて、この点が非常に参考になりました。
私が抱いていた誤解として、寒い方が人は創造的になれるという考えがありました。実は、これが間違いで、人には最適な温度、湿度があり、温度が極端に低下するとパフォーマンスが劣化するとのこと。勉強になりました。詳細は、この本でチェックしてみてください。
著者の風水に関しての見解も書かれていて、これはこれで納得できるものでした。
今の自分の部屋を見直してみようと思います。ただ、その前にやるべきなのは、まず不要なものを捨てることからでしょうか?
著者の矢納啓創さん、編集協力の塩尻明子さん、ブックデザイン担当の土屋和泉さん、DTP担当のキャップスの皆様、印刷・製本担当の大日本印刷の皆様、 株式会社KADOKAWAの皆様、部屋を見直すきっかけを与えてくれた本を出版していただきありがとうございました。