『世界一清潔な空港の清掃人 新津春子』を読んで
もともと、以前、NHKのプロフェッショナル仕事の流儀を見ていた時に、この本の著者に出会ったのだった。
この著者は、本のタイトルにある通り、羽田空港国際線ターミナルの清掃を担当している方でした。その時に働き方が印象に残っていて、本の表紙の写真を見て、すぐに思い出しました。そうトイレの掃除で奮闘する彼女の姿を。
それで手に取った次第です。
この本は、ズバリ、清掃をしない人に読んでほしいと思います。
この本では、新津さんの生い立ちから、羽田の勤務の話まで、清掃に関する様々な話が語られています。
日常の業務の中での出会い、経験してきたことなどがテーマとして取り上げられています。
それは、皆さんがそうですねと思うような事柄が多い。
この本の中では新津さんが語りたいと思った清掃に関してのエピソードとは別に、清掃に関するノウハウ集が、まとめられています。
新津さんに興味がなくても、そこだけでも読めば、お掃除がきっと楽しくなるはずです。
清掃を極めるために学校に入り直したという話を読んで、自分にここまで覚悟していけているだろうかなと、考えることに。
で、印象に残ったのは、以下の3項目です。
①人と比べるのではなく、私は自分と自分を比べます。
②お年寄りや、障がいのある方も、私にとって、先生です。
③何かを教わることができるというのは、なんと幸せなことでしょうか。
私たちは、清掃という仕事を下に見がちだと思います。清掃をおろそかにしている会社では、うまく経営が回っていないことを指摘する本もありますよね。
もう少し、清掃について考えなおしたいものです。
ただ、この本の値段は少し安すぎる感じがしています。著者の経験、知識を安売りするのはいかがなものかと思っています。もう少し価格を上げても良かったのではないでしょうか?
著者の新津春子さん、序文の築山卓観さん、ブックデザイン担当の寄藤文平さん、新垣裕子さん、写真担当の朝日新聞出版写真部 東川哲也さん、編集協力担当の長瀬千雅さん、協力:日本空港ビルデング株式会社の皆様、日本空港テクノ株式会社の皆様、全国ビルメンテナンス協会の皆様、東京ビルメンテナンス協会の皆様、建築物管理訓練センターの皆様、印刷担当の大日本印刷株式会社の皆様、朝日新聞出版の皆様、清掃に関しての新たな視点を与えてくれる本を出版していただき、ありがとうございました。