nishiikatsumi’s diary

Long Live Reading Books

『フツーの女子社員が29歳で執行役員になるまで(仮)』を読んで

 サイバーエージェントの横山さんが書いた本です。

 最初、このタイトルを見たときには、嫉妬という感情が出てきたのです。うらましいとか、なんでとか。

 しばらくしてから、そういう立場を得た人は、きっと自分とは違う何かを持っているに違いないと思い、手にとってみました。

 

フツーの女子社員が29歳で執行役員になるまで (仮)

フツーの女子社員が29歳で執行役員になるまで (仮)

 

 

 この本は、ズバリ次世代を担う若者に読んでほしいと思います。

 サイバーエージェントでは、8人の取締役と10人の執行役員で経営を行っているそうです。執行役員は、主に若手が選抜されることが多いのです。ただし、1年後10人中3人は退任して交代するという仕組みになっているとのこと。

 では、何故横山さんが選抜されたのか?この本は、横山さんの生い立ちやサイバーエージェントでの勤務経験を明らかにしつつ説明してくれています。

 読んでいくうちにゲームに関しては、素人だった彼女がドンドン成長していき、ヒット作を作っていく様子を感じ取ることができます。

 なぜ、横山さんが数あるサイバーエージェントの社員の中から執行役員に 選ばれたのかを、自分なりに整理すると以下の特徴が光ったように思います。

 ①素直な心

 ②わからないことをそのままにしない。

 ③周囲にうまく甘える。

 ④みんなを夢中にさせる巻き込み力。

 

 ①素直な心

 スマホゲームの事業部への配置転換によって、未知の世界に投げ込まれてしまった横山さん。その彼女が、無理に肩肘張ったやり方を通さずに、わからないことを素直に認めて周囲に質問して回った。この姿勢が、彼女を大きく成長させたと思います。

 ②わからないことをそのままにしない。

 話の流れや場の雰囲気で、質問したくても質問しないひともいると思います。彼女はそうせず、メンバーに質問攻撃を繰り返していきます。これが彼女のプロデューサーとしてのセンスを磨いていく一つの要素になったように思います。

 ③周囲にうまく甘える

 何もかも自分でやろうとすることの無意味さを、以前本田健さんの著作から学んでいますが、著者はこうしたことが自然にできたようです。うらやましいですね。

④みんなを夢中にさせる巻き込み力。

 メンバーが必ずしも横山さんに対して納得しているわけではないと横山さんは語ります。横山さんの開発センスがいいからとのこと。その開発センスを磨くためにやれることを全てやってきたことをこの本は教えてくれます。

 

この本で一番感じたことは、横山さんの素直さだった。とにかく貪欲に学んでいく。この姿勢が執行役員への道を開いたように思います。

 

 著者の横山祐果さん、編集担当の泉恵理子さん、デザイン担当の三橋理恵子さん、写真担当の鈴木愛子さん、日経BP社の皆様、プロデューサーとしての心構えを教えてくれる本を出版していただき、ありがとうございました。