『おもしろおかしく』を読んで
数ヶ月前に亡くなられた堀場雅夫さんの本です。ちなみに、フォルクワーゲンの不正を見抜いた排気ガス検査装置が、堀場製作所のものだったそうです。
この本は次の3名の方に読んでほしいと思います。
- 社長になりたい人
- 今の仕事が嫌いな人
- 心を豊かにしたい人
堀場さんの本は、以前から何冊か読んできています。堀場さんの話で、印象に残っているのは、「日本がダメダメと言われるが、今の日本は全然ダメではない」という主張でした。
ダメになる時、どんなことが起こるかについて、堀場さんは、ダメだという時には犬がいなくなると語っていました。堀場さんの経験で、日本がダメになったのは1度だけだそうです。それはいつだと思いますか?
それは、終戦直前だった時だそうです。その時は街から犬の姿が消えたそうです。
今は不景気だと言いながら、ペットに相当のお金をかけている時代です。まだまだ大丈夫というのが堀場さんの主張です。
さて、本の話に戻りましょう。
この本では、堀場さんが堀場製作所の経営で、実際に実施してきた考え方を披露しています。
印象に残っているのは、以下のとおり
⚪︎社是をおもしろおかしくにしたこと
⚪︎社員に肩書きを作ってあげたこと
⚪︎お疲れ様禁止令
⚪︎本当のパニックは2つ
社是を堀場さんが決めた時、周囲は猛反対。結局決めるのに7年かかったのは笑いました。確かに、こういう社是を世間が受け入れられるようになったのは、ごく最近のことだと思います。こういう社是の会社は、今でも少ない気がします。
社員が肩書きがないことが不満で大量離職寸前という話も爆笑しました。確かに人は肩書きで判断することが多いので、社員の主張は納得できるのですが、でも笑ってしまった。
メールによくお疲れ様ですと書くことがありますが、このお疲れ様を禁止とのこと。
理由は、仕事が大好きな堀場さんにとっては、仕事が疲れることではないから。
本当のパニックは、①戦争で死にたくないのに、いつ殺されるかわからない瞬間、②食べ物がないこと、だそうです。この経験を知っているから、楽天的で、しかし緊張感を持っていられるのだなと思いました。
経営者としての指南書としては、なかなか面白い本だと思います。