『思考のすごい力』を読んで
世界的に著名なアメリカの細胞生物学者のブルース・リプトン博士が書いた本です。
リプトン博士は、エピジェネティクスという新しい分野の端緒を開き、科学と魂との橋渡しをする新しい生物学のリーダーとして活躍しているそうです。
- 作者: ブルース・リプトン,西尾香苗
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2009/01/20
- メディア: 単行本
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この本は次の3名の方に読んでほしいと思います。
- 自分はバカだと思っている方
- 今の自分がとても不幸に感じている方
- 将来子供を持つ予定のある方
もし、思考によって、体の状態を良くすることができると言われたら、あなたは信じることができるだろうか?
この本で語られているのは、まさにそのことです。
幸せな生活を送るためには、良いことを考えていくことの重要性が語られていきます。
ただし、いきなりそう言われても納得できない読者の方を想定して、遺伝子に関しての誤った認識を解きほぐすことから、この本は始まります。
遺伝子に関しての誤った認識としていくつかエピソードが挙げられています。印象に残ったのは、以下の3つです。
①ダーウィンは「種の起源」を書いた後に、環境から影響が無視できないことに気がついた。しかし、世の中の大勢は、遺伝によって人生が決まるという視点から逃れられなくなっていた。
②糖尿病になっていた母ネズミから生まれた子ネズミに、母ネズミとは違うメチル基を多く含む餌を与えると、糖尿病にかからず、かつ体型や毛の色が変わったこと。
この研究結果から遺伝子が全てを決めるのではないということを説明しています。
③膝関節炎の手術を実際に行ったケースと、それを模倣したケースで、同程度の患者が回復したという驚愕の事実が確認されたこと。プラシーボ効果による影響は非常に大きいことが確認されたということです。
この本の中では、電子工学のMOSFETの例や量子物理学の概念などが出てきて、学生時代に勉強したことのない人にとっては、かなり読みづらいと思います。
これらの部分については理解できないようでしたら、読み飛ばすことをお勧めします。これらを読んでいなくてもリプトン博士の大意は把握できます。
ポイントとしては、細胞に対する考え方を変える必要を説明してくれたことです。細胞は脳を持っている。その脳は細胞核ではない。細胞核は生殖器とのこと。
細胞の脳は細胞膜であり、細胞が集まって次第に役割別に特化していくことで協調した生活を送るようになってきたという点。それを考えると、人体の中にいる菌も重要だし、この地球に住んでいる生き物が全て何らか関与しているという見解には、驚かされました。
そして遺伝子がどうというよりも、意識や環境による影響が遺伝子をON/OFFすることを決めていくというリプトン博士の持論は興味深かったです。
その影響をもとになるのが愛だそうです。だから子に対する親の役割は非常に重要だとこの本は語ります。これから人生を生きていく上で非常に有意義なアドバイスになりました。
著者のブルース・リプトン博士、翻訳者の西尾香苗さん、装丁担当の川上成夫さん、装画担当のImtek Imagineering/Masterfile amanaimagesの皆様、粗版担当の朝日メディアインターナショナル株式会社の皆様、印刷・製本担当の図書印刷株式会社の皆様、株式会社PHP研究所の皆様、素敵な本を出版していただきありがとうございました。