『屋根ひとつ お茶一杯 魂を満たす小さな暮らし方』を読んで
シンプルなライフスタイルを提唱するドミニック・ローホーさんが書いた本です。ドミニックさんの書いた本は、以前読んだかもしれませんが、記憶に残っていないため、思い切って購入してみました。
この本は次の3名の方に読んでほしいと思います。
- これから新生活が始まる夫婦
- 夫に先立たれた未亡人
- 家を買おうとしている人
この本では、まずお茶の話は出てきません。少なくとも読んだ感想としては、お茶を一杯飲んで、まったりと過ごすという感じの内容ではなかった。
では、一体何が書かれているのか?
それは、住居に関すること。この本では人が物を持ちすぎることについて警鐘を鳴らしています。
その最も重要な品物が、家であると。
人々が何も考えず、見栄だけで広い家を購入してしまい、収拾がつかない状況に陥っていることが多いとこの本は語ります。
広い家を購入するのではなく、身の丈あった住居で生活する重要性を語っていて、この内容が本の中でほとんどを占められています。
住居を持つにあたり、参考にするべきなのが、最近アメリカでも流行っているタイニーハウスや東洋の禅の教えに基づく住居のあり方だと語ります。
文章としては、数が多いのですが、それは、読者に対して、生き方の参考例を示すために費やされていて、その内容が一重に、物を持たないこと、そして自分にあった暮らしを実現する方法に割かれています。
広い家を持つことで、維持費がかかり、余計な気苦労を抱えて不幸になっていく人たちの様子を語っていて、これは全くその通りだと思いました。
よく言われることでもあり、この本でも触れられていますが、シンプルな生活のためには、物を捨てること、そして生活の規模を小さくすることが大事だと。
これをやっていくのは一見大変ですが、やればものすごくスッキリします。
そして、一人で孤独になっている時も、小さい家だとさほど寂しく感じないとのこと。
物を捨てることは、以前のブログ記事でも度々触れてきていますが、禅の教えや日本や中国の文学者のライフスタイルなどを省みて説明していた本は、今まで出会っておらず、この本が初めてだと思います。
その意味で、勉強になることが多かったです。では、この記事の投稿後、整理をざっくりやっていきます。では。
著者のドミニック・ローホーさん、翻訳者の原秋子さん、ブックデザイン担当のalbireoさん、そして株式会社講談社の皆様、素敵な本を出版していただきありがとうございました。