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nishiikatsumi’s diary

Long Live Reading Books and Programming

『逆境経営』を読んで

 獺祭という日本酒をご存知でしょうか?今回、紹介するのは、その獺祭を製造している旭酒造代表取締役社長の桜井博志さんが書いた本です。

 もともと、なぜ、この本を手に取ることになったのか?いや、なぜ私がこの方を知っていたのか?ですが。

 買った本の帯にもある通りですが、桜井さんは以前、テレビ東京系列の番組「カンブリヤ宮殿」に出演されていました。その時、私が視聴して獺祭を知ることになりました。

 それで気になっていたので、紀伊國屋横浜店で見かけた時に、手にとってみました。

逆境経営―――山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法

逆境経営―――山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法

 

  この本は次の3名の方に読んでほしいと思います。

  • 起業するということを考えている方
  • 挫折で苦しんでいる方
  • 極上の質とは何かを知りたい方

 獺祭というお酒のことをご存知の方は多いと思います。ただ、それがどこの会社で、どういう経緯で製造されるようになったかを知っている人は少ないのではないでしょうか?

 これを教えてくれるのが、この本です。

 この本を読んでいてびっくりしたことが、著者が、これでもかというぐらい失敗を経験したり、試練を受ける状態に置かれる経験をしてきているということでした。 

 読んでみたら、そんなことをしたら赤字になるに決まっていると思えることも、実際の立場になったら見えないこともあるということを教えてくれています。

 経営の多角化で行ったレストラン事業で失敗して、1億円以上の損失を出したり、資金繰りが悪化したら、杜氏が逃げ出したりして酒造りがストップしたりするなど。

 とにかく、失敗談や試練の話が多いのですが、それでも著者は諦めず、挑戦していく。

 その過程で、この先どうなるだろうか?という不安が常にあったと説く。

 

 そんな中で、著者が日本酒造りで、何が絶対必須で、何が不要かを突き詰めて考えて行った時に、獺祭というお酒が生まれたとのこと。

 獺祭が生まれる過程の中で、杜氏ではなく社員が酒造りに挑む、四季を通して製造するなど、様々な伝統へのチャレンジが見られるのですが、この内容を深く知りたい方は、ぜひこの本を手にとってみてください。

 

 著者の日本酒作りへの愛が垣間見える本です。日本酒の話だけと考えて視野を狭くしてしまうと学びが少なくなるので注意してください。

 「トヨタの自分で考える力」を紹介した時にも、本の中に書いてあったことですが、著者も困る、ピンチを力の糧にしてきていることが印象的でした。

 

nishiikatsumi.hatenablog.com

  ピンチは必ずしも、不幸ではなく、幸せを運んでくれるものだなとこの本からも読み取れたのが興味深かったです。

 また、日本酒への真摯な問いかけの姿勢は、今うまくいっていない人に対して、どういう姿勢で問いかけていけばいいかを教えてくれるので、非常に参考になると思います。

 私としては、前半の著者が苦労したけど成功できたという経緯の話が一番、面白かったです。お酒作りをデータ化して、データを基にしたレシピで作っていくという考え方は全く発想できなかったです。著者にとっては、大変だったけど充実した期間だったと思います。

 この本もそうですが、著者がPlan-Do-Check-Actを行っていて、それを基にした物語形式で書いていますので、非常に読みやすいです。

 こうした形式の本からは、容易に学んでいけそうな気がしています。

 

 著者の桜井博志さん、装丁担当の重原隆さん、撮影担当の住友一俊さん、製作進行担当のダイヤモンド・グラフィック社の皆様、本文印刷担当の八光印刷の皆様、カバー印刷担当の加藤文明社の皆様、製本担当の宮本製作所の皆様、編集担当の柴田むつみさん、ダイヤモンド社の皆様、苦難を幸せに変える経験を教えてくれる素敵な本を出版していただきありがとうございました。