『Developer's Code』を読んで
今回がプログラマの視点で書く、はじめての書評になります。
今回、読んだのはKa Wai Cheungさんの『Developer's Code』です。
Developer's Code 本物のプログラマがしていること (アスキー書籍)
- 作者: Ka Wai Cheung,新丈径
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/05/12
- メディア: Kindle版
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私の現在の職業がプログラマなので、興味深く読ませてもらいました。
Cheungさんは、中小のソフトウェアハウスのプログラマ&経営者なので、私とは少し立場が異なっていました。Cheungさんは十分に経験を積んだプログラマの視点から、こうしたらいいという提案をしてくれています。
こころに響いたのは、メタファに関して説明していた節でした。
メタファは、いい表現を与えることがある一方、ミスリードする表現になることもあるというには、かなり印象に残りました。
普段、ソフトウェアを建築物の例えとすることが多いので、この指摘は目からウロコでした。その証拠に建築物は建て替えは一大イベントになりますが、ソフトウェアの場合、更新イベントでもあってもWindows Updateのように定例なものとなり、後から修正が比較的容易です。
また、その指摘の一方で、メタファの限界も指摘しています。メタファは、ソフトウェアのターゲットに対して制限した観念を与えてしまうというのは、強い衝撃を受けました。
他にも、教育、クライアントとの付き合い、コードの観点の章で、さまざまな知見が披露されています。
クライアントの話で、ソフトウェアの値付けの話は、興味深かったです。
弊社でも、人間×開発期間で料金を算出しているので、それ以外の価値があるはずだろという指摘は重く受け止めることになりました。
普段は、コーディングの記事ばかりに注目しがちですが、こうしたプログラマに対するアドバイスを書いた本も、今後読んでいきたいと思います。