人生の達人だった先輩の話
28年前、大学の恩師を囲んで先輩と参加する食事会が開催された。
当時はバブルが終わったばかり。
先輩たちも調子がいいという感じの人が多かった。
その中で、一人だけ、特許庁の先輩で、暗い方がいた。
話は、自分はこの研究室には合わなかったと繰り返し、正直あまり話を聞く気になれなかった。
ただ、私の同期と彼の話は盛り上がっていた。
彼は官僚ということもあり、どの企業が調子がいいか熟知していた。
(東京電力は東日本大震災で大変なことになるが、それまでは非常に好調だった)
あのとき、もっと彼の話を聞けばよかったと悔やんでいる。
たしかに先輩は大学時代はうまく行かなったかもしれないが、人生を熟知した達人だったのだから。