『ぼんやり脳』を読んで
「ぼんやり脳」という不思議なタイトルの本に先週末に出会いました。これは精神科医の西多昌規さんが書いた本です。
紀伊國屋横浜店で出会い、気になって仕方がなかったので、手にとってみました。副題に「上手にボーッとできる人は仕事も人生もうまくいく」とあり、読んでみたくなったので、早速購入しました。
ぼんやり脳! 上手にボーっとできる人は仕事も人生もうまくいく
- 作者: 西多昌規
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2016/01/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本は、次の3名の方に読んでほしいと思います。
①イマイチいいアイデアが出ない人
②仕事で行き詰まりを感じている人
③人生を変えたい人
この本で語られているのは、ボーッとしている時を無駄な時と思わないように、ということ。つまり、そんな時、あなたは自覚していないかもしれないが、あなたの脳は、あなたのために必死になって働いてくれているということです。
その時の脳のエネルギー消費は通常思考をしている時の15倍だそうで、この話は私もにわかには信じられなかったのですが、そうなのだそうです。
その時に脳が何をしているかが、この本に書かれていて(例えば、情報の記憶や整理だったり)、無為に過ごしているわけではないことを教えてくれています。
そして、ぼんやりがあなたの人生を有意義にしてくれるために必要な時間であることを解説してくれています。
後半は、そのぼんやりで自分の人生をよくしていくためには、どうしたらいいか?を説明してくれていて非常に参考になりました。
以前、読んだ 「人生の悩みはお風呂で消える」とともに、時折読み直してみたいと思いました。
この本で印象に残ったのは、以下の3点です。
①「脳の片付け力」をアップさせるのは、ぼんやりとして過ごす時間。
②ぼんやりから来る「ひらめき」の期待度は20%と考える。
③ぼんやりとし、問題を少し離れてから考えると俯瞰して見える。
①「脳の片付け力」をアップさせるのは、ぼんやりとして過ごす時間
脳はマルチタスクには向いていないので、まずはシングルタスクを心がける重要性が語られています。とは言ってもマルチタスクをこなす必要があり、そんな時に試行錯誤しながら、ボーッとした時間を入れていけば、思考がまとまっていくとのこと。
②ぼんやりから来る「ひらめき」の期待度は20%と考える。
ぼんやりすることで思考がまとまることが説明されていますが、いつも「ひらめき」が出てくるわけではないことが説明されています。期待度は20%程度で行きましょうとのこと。
③ぼんやりとし、問題を少し離れて考えると俯瞰して見える。
問題で苦しんでいる時には、ぼんやりと考えてみることの重要性が語られています。ぼんやりすることで、全体を自然に俯瞰して見れる。それによって問題のキーポイントがつかめることが解説されています。
これを読んだ時に、「世界のエグゼクティブに学ぶストレスフリーな働き方」を読んだ時を思い出しました。確か、この本では行き詰まった時は立ち止まってみるといいなど、この本の考え方に近い思想を感じます。
ぼんやりするというと、普通ネガティブに受け止められがちですが、この本ではそうではなく重要な行為であることを教えてくれました。
とは、言ってもアクションをして、ふと振り返った時にボーッとするのがいいとのことなので、サボるとは等価な意味ではないとのことです。
著者の西多昌規さん、編集協力の高橋明さん、ブックデザイン担当の西垂水敦さん、門倉直美さん、イラスト担当の鈴木衣津子さん、印刷・製本担当の中央製版印刷株式会社の皆様、株式会社飛鳥新社の皆様、新しい考え方を提供してくれる本を出版していただき、ありがとうございました。